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2020年 面白かったオススメ漫画10選(#俺マン2020)

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早いもので、今年もこの時期がやってきました。
毎年恒例(にしたいと思っている)の、1年間に読んだ漫画の中から個人的に面白かった作品を10作品選んでご紹介させていただきます。

選考対象となるのは、

  • 2019~2020年に1巻が発売された、新しめの作品
  • 2020年に入ってから、最低でも1冊以上の新刊が発売された作品

この条件に当てはまる作品の中から選んでます。
あくまで10選でありランキング形式ではないので、紹介する順番に特に意味はありません。

 

 『東独にいた』宮下暁

舞台はベルリンの壁崩壊の数年前である1985年の東ドイツ。
軍の特殊部隊に所属する女の子・アナベルと、彼女が想いを寄せる本屋の青年・ユキロウ(正体は反体制派リーダー)を中心に、軍と反体制派の戦いが描かれています。

これだけ聞くと、渋い舞台設定の悲しい恋愛物のようですが…。
そういった側面もありつつ、アナベルが凄まじい身体能力を持った「神軀兵器(しんたいへいき)」と呼ばれる超人なので、アクション要素も豊富です。

このアナベルの超人設定に賛否両論あるかとは思いますが(私も最初は面食らった)、
硬派な題材にエンターテインメント性が加わり、とっつきやすく誰もが楽しめる作品になっていると思います。

感想記事

 

『水は海に向かって流れる』田島列島

高校進学を機に、おじさんの暮らすシェアハウスに居候することになった直達。
そこの住人の紅一点である榊さんは、かつて彼女の母親と直達の父親とが不倫関係にあり、それがきっかけで榊さんの家庭が壊れたという浅からぬ因縁の持ち主で……。

お互い複雑な感情を抱く、高校男子と26歳会社員という年齢差のある2人の男女の、あれやこれやを描いた作品です。
テーマ的には結構ヘビーだとは思うんですが、登場人物にイヤな人間がおらず、コメディベースで描かれているので非常に読みやすい作品です。
キャラの濃い愉快な住人たちとのやりとりも面白くて、どこか『めぞん一刻』っぽい雰囲気もあります。

私がこの作品と出会ったのが今年なので2020年のベスト10に選びましたが、1巻と2巻が発売された去年のうちに読んでいたら、間違いなく2019年のベスト10に選んでました。

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『ギークサークルクライシス』あおいくじら

とある大学で孤独な学生生活をおくる女子大生・白雪みなも。
同じ学科の男子・花屋敷が自分に惚れていると勘違いしたことをきっかけに、彼の所属するオタク系サークルに入会したみなもは、図らずともオタサーの姫として君臨することになるのでした。

サークル入会後、逆に花屋敷に惚れてしまい、彼を振り向かせるために空回りしては自爆するみなもちゃんを愛でる作品です。
ジャンル的にはラブコメですが、かなりギャグ色の濃い内容になっているので、その辺のノリが合わないとキツいかもしれません。

面白かったのは確かですが、まだ1巻しか刊行されておらず、そういった作品を過去に選んで後悔したことがあるので(2巻がクソつまらなかった)なるべく1巻だけで判断して選ばないようにしているんですが、どうも連載が止まってるみたいなので応援の意味も込めて今回選出しました。

感想記事

 

 『三枝教授のすばらしき菌類学教室』香日ゆら

大した志も無く、いい加減な理由で選んだ農大に入学した天谷洸輔。
キノコ好きな女子小学生・深山舞子と出会ったことをきっかけに、彼女の祖父でありキノコ専門家である三枝教授の研究室に入り浸ることになった洸輔は、キノコまみれのキャンパスライフを送ることになるのでした。

「キノコ」がテーマのアカデミックなコメディ漫画。
キノコの生態から食に関することまで、無駄な知識が増えていくのが楽しい作品です。
特に毒キノコの話はやはり非常に興味深く、食べても死なないけど死んだ方がマシな痛みに襲われるキノコの話などは特に面白かったです。

分類的には少女漫画にカテゴライズされるので、オッサンにとっては本屋で探しづらいのが唯一の欠点でしょうか。

感想記事

 

『紛争でしたら八田まで』田素弘

地政学リスクコンサルタントとして世界を股にかける八田百合。
持ち前の知恵と度胸と暴力で、世界各地で起こっている国家間・民族間の様々な紛争や揉め事を、強引に解決していく彼女の活躍が描かれています。

こちらも漫画として面白いのはもちろん、上記の『三枝教授の~』と同じく知識が得られる系の作品です。
世界情勢からご当地グルメまで勉強になる内容がてんこ盛りで、詳しい人から見れば物足りない部分はあるでしょうが、地政学に興味を持つ取っ掛かりとしては最適なんじゃないでしょうか。

シリアスにすればいくらでも重く出来そうな題材ばかりが取り上げられていますが、ユーモアを交えつつ全体的にライトに描かれているので非常に読みやすいです。
個人的にはちょっと物事がトントン拍子に上手いこと解決し過ぎな気がしないでもないですが、あまり深刻になられても困るので、このくらいがちょうど良いのかもしれません。

 

『悪いが私は百合じゃない』もちオーレ

女子校が舞台の百合コメディ。
担任の男性教諭に惚れている女の子・藤堂いつみは、彼を振り向かせるためにネットで惚れ薬を購入します。
しかし薬の効果に懐疑的ないつみは、試しにクラスのイケ好かないカタブツ学級委員長・四方塚まことに飲ませてみて、効果を検証してみることに……。

タイトルでは「百合じゃない」と言ってますが、もちろんガッツリ百合漫画です。
かなりギャグ色が強いので、女の子同士という点さえ気にならなければ、百合好きでなくともギャグ漫画として楽しめる内容だと思います。

こちらも前述の『ギークサークルクライシス』と同じく、既刊は1巻(2巻は2021年1月の予定)ですが、この作者さんの過去の作品を読んでいるので大丈夫だろうと判断して選出しました。

感想記事

 

『幼なじみとトランクス』吉原雅彦

幼なじみの暁あかりちゃんとの「同じ高校に入る」という約束を守るため、努力して特待生の座を勝ち取り10年ぶりに生まれ育った町に帰ってきた芥川あくた。
無事再開を果たしてクラスも同じになり、長年の想いを彼女に伝えようとした矢先に、あくたの元に謎の人物から「暁あかりは男」というメールと写真が送られてきて……。

基本はラブコメでありながら、ちょっぴりミステリーの香りが漂う作品です。
個人的にはあかりちゃんが男か女かなんぞ正直どうでも良くて、あかりの男疑惑について一緒に調べることになるもう一人の幼なじみ・速水あおいが超かわいくて、こっちの子との関係がどうなるのかが気になります。

コメディでハッピーなエンディングを期待しますが、作者さんの過去作を見るとヤバめな話が好きみたいなので若干の不安が残ります。
2巻の終わり方がちょっと緊迫感があったし……。

 

『先輩、パンツはいてますか?』西島黎

剣道一筋で生きてきた女子高生・三鷹雪乃。
彼女の最近の悩みは、剣道部の先輩・藤倉先輩が、パンツを「はく派」なのか「はかない派」なのか、どっちなのか?ということ。
袴の下はノーパンという男も多い剣道の世界で育ってきた三鷹さんは、藤倉先輩のパンツの有無が何故か気になってしょうがないのでした。

世間知らずで剣道以外はわりとポンコツな三鷹さんが可愛いラブコメ。
少々お下品なタイトルですが、中身はどちらかと言えば品の良さを感じる作風です。
不器用ゆえに少々取っ付きづらい性格で、ともすれば部内で浮いてしまいそうな三鷹さんが自然に受け入れられている、この作品の優しい雰囲気が大好き。

上記の『幼なじみとトランクス』に続き、2作続けてのパンツ絡みのラブコメですが、どちらも男のパンツってのがアレですね。

感想記事

 

『よふかしのうた』コトヤマ

あることがきっかけで不登校になり、不眠症なった男子中学生・夜守コウ。
一人で街を徘徊していたある日の夜、見た目は美少女な吸血鬼・七草ナズナと出会い血を吸われてしまいます。
夜の世界に惹かれ、自分も吸血鬼になりたいと申し出るコウでしたが、吸血鬼になるためには吸血鬼に恋をする必要があって……。

中2男子と美少女吸血鬼のラブコメです。
基本的にはコメディではありますが、シリアスさと不穏な空気が常に漂っているという独特な雰囲気を持つ作品です。
緊迫感がある場面でも、キャラクター達にあまり緊迫感が無いという、その匙加減が私好み。
そして出てくる女の子がみんな可愛く、妙にエロいのに作品自体にエロさは感じないという、全体的に掴みどころがない感じで、そこが魅力なんじゃないかと思います。

 

『バトルグラウンドワーカーズ』竹良実

「亞害体」と呼ばれる未知の生物と人類の戦いが始まってから25年。
優しい性格ながら要領の悪さが災いして、まっとうに生きてきたにも関わらず独り身の無職で30歳を迎えてしまった平仁一郎の元に、一通の手紙が届きます。
それは人形兵器「RIZE(ライズ)」を操り「亞害体」と闘うパイロット募集のお知らせで……。

簡単に説明するならば、ロボットに乗って巨大生物と闘うSFアクションです。
とはいえ、SFやアクションの部分は大して重要ではなく、本作のメインは人間ドラマの部分。
ブラック企業や親の介護問題など、自分が現実でも直面しかねない陰鬱な話が多いので正直気が重いところはありますが、それでも読ませる面白さがあります。

個人的な好みで言えば、本来ならば読もうとも思わないジャンルの作品なんですが、作者である竹良実さんの前作『辺獄のシュヴェスタ』が好きだったこともあり読むことにしました。
最初は正直「う~ん…」って感じでしたが、段々と面白く目が離せない展開になっていくので、興味を持った方はそのつもりで読んでみてください。

 

まとめ

こんな感じになりましたがいかがでしょうか?
この他に入れるかどうか迷った作品は、『対ありでした。』『女の園の星』『地図にない場所』といったところです。
いずれも1巻しか発売されてないので、判断を下すのは時期尚早ということで今回は見送りました。

さて、今年はコロナの関係で休みが多かったこともあり、秋ごろまでは割と漫画を読む時間が取れました。
しかしそれ以降は仕事が忙しくなったことに加えてYouTubeを始めてしまったので、トータルで言えば去年とさほど変わらないくらいの読書量に落ち着いてしまったかなと思います。
ブログの更新も滞ってしまったので、来年はもうちょっと頑張りたいところですね。

というわけで今年の更新はこの記事で最後となります。
今年も1年間、当ブログをご愛顧いただきありがとうございました。
それでは皆様、良いお年をお迎えください。

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