作品概要
タイトル:KISS MY ASS
著者:大見武士
出版社:少年画報社(YKコミックス)
巻数:全2巻
己の肛門で激しく自己主張する「痔」と人知れず闘う少年少女の闘病生活と恋愛を描いた、「痔」がテーマのラブコメディ。
あらすじ
痔を患い、人知れず痛みと戦う日々を送る男子高校生・薬師寺充輝。
思春期男子にとっては、この恥ずかしい病気がバレることは高校生活の終わりを意味します。
ゆえに周囲の人間にバレないように努力する薬師寺でしたが、見る人から見ればその不自然な仕草から痔であることは一目瞭然。
痔の経験がある同級生の女の子・三浦さんにバレてしまい、彼女から放課後の教室に呼び出されて…?
感想(ネタバレ度:低)
カワイイあの娘も「痔」で悩んでる
「痔」と言えば、どうしても「恥ずかしい病気」のイメージが強く、漫画の中に限らず日常会話の中でも、もっぱらギャグ要素として扱われがちです。
日本人の3人に1人は痔で悩んでるらしいぜ。
へぇ~。
けっこうな割合ね。
つまり美人が3人集まれば、そのうち1人は痔を患っているということになる。
そうだけど……。
何が言いたいわけ?
すました顔した美人でも、家に帰ったら肛門に薬を塗ってんだぜ。
……想像したら興奮しないか?
うわっ、きも……。
大所帯のアイドルグループなんてどうなっちゃうんだよ……。
ヘヘヘ、震えてきたぜ。
やべぇなコイツ。
こんな感じでネタにされてしまうわけです。
本作はそんな痔をギャグ要素として扱わずに、基礎知識や対処法が真面目に書かれた「痔」と真剣に向き合った作品 です。
といっても面白味の無い、病院に置いてある冊子のようなクソ真面目な内容ではなくて、ラブコメをベースに描かれているので楽しみながら痔を学ぶことができます。
痔に悩む薬師寺くんの前に、さっそうと現われた救いの天使・三浦さん。
自身も痔に苦しんだ過去を持ち、それをきっかけに肛門科医を目指す、白のニーハイが眩しい眼鏡女子です。
薬師寺くんの肛門の行方だけでなく、この二人の恋愛模様も見所です。
闘いの日々に癒しを
作中には痔の対処法が色々と描かれているんですが、その中に足フェチとして見逃せないシーンがあったのでご紹介したいと思います。
それは痔マスターである三浦さんが伝授する、痔に効くという足ツボマッサージです。
薬師寺の想い人であり、イボ痔に悩む同志でもある小松さん。
スレンダーな三浦さんと比較すると幾分ムッチリ気味な彼女の足を使ってマッサージは実践されます。
小松さんの至高の足裏に触れ、新しい世界への扉を開きかける薬師寺。
女子高生の足裏を揉み倒せるなら、痔の痛みも我慢できるってもんです。
…なんてことを書くと、歴戦の痔主の方々から
おめぇは痔になったことが無いからそんなこと言えんだ!
と怒られてしまいそうですが、何を隠そう実は私も中堅の痔主だったりします。
正確には薬師寺とは違って、私はイボ痔じゃなくて切れ痔なんですけどね。
私の肛門事情なんてどうでもいいってね。
切れ痔の主としてついでに言わせてもらうと、作中でスポットライトを浴びるのはイボ痔ばかりで、他の痔が冷遇されていたのが残念でした。
作者さんの言うとおり、イボ痔だろうが切れ痔だろうが注意点は大差ないのでどうでもいい事なのかもしれませんが、せっかく痔主が3人も登場するわけですからね。
一人くらい切れ痔とか痔瘻のキャラがいてほしかったです。
まとめ
恥ずかしい病気の代表格としてネタにされがちな痔に対する知識や対処法を、上手くラブコメに落とし込みながら描かれているこの作品。
ラブコメ好きはもちろん、悩める痔主の方にもオススメです。
ぜひ肛門科の待合室に1冊置いといてほしいですね。……いや、肛門科で読んでるようじゃ手遅れなのか。
ちなみに痔主として言わせてもらうと、痔になったら恥ずかしがらずにすぐ病院に行ったほうがいいです。
市販の薬と病院で処方してもらえる薬では効き目が段違いですよ。