ダムマンガ (1巻)
少年画報社 ヤングキングコミックス
著者:井上よしひさ
女子高生とダム(水を堰き止めるアレ)という、異色の組み合わせな百合コメディです。
子供のころトラウマに想っていた場所を思い出したんだ
特別ダムに興味がなくても、誰もがその存在を知っているであろう日本有数のダム・黒部ダム。その超有名ダムと苗字が同じだったばかりに幼い頃から「ダム子」とからかわれ続けてきたがゆえにダム嫌いになった女の子・黒部弓見は、高校の入学式で出会った美人の先輩・八田かなんに一目惚れしてしまいます。
ところが、その先輩はダムが好き過ぎて「ダム部」を作って部長を務めるほどの超ダムマニアだったのです。弓見の苗字を知って「運命の出会い」と興奮する先輩は、半ば強引に弓見をダム部に入部させようとするのでした…。
きっと誰もがダムカードを手に入れたい
女子高生が主役の部活動モノということで読み易くなっていますが、内容はなかなか本格的です。
雑学好きにはたまらないダムの基礎知識や、各話の合間に挟まれるちょっとディープなダムコラムなど、ダムの入門書としても最適と言えるのではないでしょうか。
そんな中で特に印象的だったのは、全国の各ダムを訪問したら現地でもらえるというダムカード(347種)の存在です。お堅いイメージのある公共施設でも、こんな気の利いた企画をやってるんですね。
ほら君に恋してる(百合)
女子高が舞台で、そのうえ弓見が妄想力豊かな百合っ娘なので、全体的に百合百合しい雰囲気です。終盤の弓見と先輩の気持ちのすれ違いなど、正統派な百合漫画としても楽しめます。
ちなみにダムの職員以外は男キャラは登場しません。「ダムはムダ」などとマスコミに叩かれがちですが、百合漫画における男キャラほどムダな存在はないので、これは嬉しい配慮ですね。