タイトル:そこにいたの西山さん
著者:U-temo
出版社:メディアファクトリー(MFコミックス)
巻数:全2巻
女子が苦手なヘタレ男と、存在感皆無のステルス女による学園ラブコメです。
こんな可愛い子が目立たない?
主人公は、女の子が苦手で話しかけることもできないヘタレ男子の百合ヶ丘くん。
友人である梅田くんの発言によるとイケメンらしいですが、それなら女子が放っとかない気がしますけど…。
ヒロインは、影が薄過ぎてクラスメイトから認識すらされていない西山さん。
夢の国の巨大ネズミのような髪型と可憐なルックスで存在感ありそうに思えますが、ステルス機と形容されるほどの隠密性能のおかげで、ぼっち街道をひた走る女の子です。
この二人が共通して憧れるクラスのアイドル・結城さんと親しくなるために共同戦線を張る、というのが話の始まり。
男女が協力して事にあたるとなれば……。予想通り、だんだん当初の目的がぼやけてイチャイチャし始める百合ヶ丘くんと西山さん。
こちらが私のお気に入りの、足をくじいた西山さんを百合ヶ丘くんがおんぶしてるシーンです。
女の子の柔らかさを背中で感じながらドキドキしちゃってる百合ヶ丘くんに対し、ちょっとしたイタズラのつもりで首筋に息を吹きかける西山さん。
と、とんでもない天然小悪魔やで、この娘は…。
このまま順調に二人がくっついてくれれば良かったんですけど、なかなかそうはいきません。
百合ヶ丘くん以外に友達がいなかった西山さんが、梅田くんと親しくなって浮かれちゃったために微妙な空気になったところで1巻が終了します。
西山さんは単純に友達が増えて嬉しかっただけで他意は無いみたいですけど…。百合ヶ丘くん的には、この尻軽女!って気分になっちゃったんでしょうね。
百合ヶ丘くんの独占欲はカッコ悪いけど、気持ちは凄く分かります。
どこにいたの結城さん
2巻に入って結局すぐに仲直りはできたものの、その後も百合ヶ丘くんの独占欲が暴走したり、そのせいで親友の梅田くんとギスギスしたりで、全体的に甘さひかえめ酸っぱさ多めな内容となっています。
期待していた1巻のような、2人の甘々なやりとりはほとんど見ることができませんでした。
百合ヶ丘くんと西山さんがラブラブになるための通過儀礼という意味でこういう展開になるのは仕方がないのかもしれませんが……。
ここを乗り越えての、いざ2人のラブラブイチャイチャ学園ライフが開幕、というところで打ち切りっぽい終わり方になっていたのが残念でした。
いや、これはこれで綺麗にまとまってるし、爽やかでいいエンディングだとは思いますけどね。でもやっぱり、もっと2人のラブラブっぷりが見たいじゃないですか。
他にも百合ヶ丘くんと西山(弟)の対面とか、妙に存在感のある猫柳さんの活躍など見たい場面が多々残ってるので、実際のところ打ち切りなのか予定通りの終わり方なのか分かりませんが、せめて3巻くらいまでは出してほしかったです。
2巻にまとめた弊害なのか思ったほど話に絡めず、むしろ西山さんより空気になっちゃった感がある結城さんのためにも…。