作品概要
タイトル：白銀妃
著者：睦月のぞみ
出版社：エンターブレイン（ビームコミックス）
巻数：1巻（以下続刊）
オルビルオ王国という国の新国王・アルスラの側室として後宮に入ることになった残念美人・リリーニャの日常を描いた作品。
王様はゲロ萌え
「側室に選ばれたら免税」という条件に惹かれ、貧しい家庭を助けるために側室の選抜試験にやってきた田舎娘のリリーニャ。
特技として垂直跳びの高さをアピールするなど残念な言動を連発して審査員の宦官・ムルフトを悩ませるものの、「黙ってさえいれば超美人」ということで見事側室に選ばれます。
出典：睦月のぞみ 著『白銀妃』1巻 / エンターブレイン
後宮に連れて行かれる女性なんて、半ば無理矢理でイヤイヤ連れていかれてるイメージがありましたが、リリーニャは免税に加えて大好きな猫をもらえるということもあってノリノリで付いていきます。
そもそも側室がどういうものかもよく分かってないという…。
こんなピュアで可愛いリリーニャが、ハーレムを設けるような変態で脂ぎったキモ国王の餌食になるのはイヤなんじゃー！と、まだ見ぬ王様の姿を勝手に想像して勝手に拒否反応を起こしていた私でしたが、登場したアルスラ王は若くてイケメンなジェントルメンで安心しました。
出典：睦月のぞみ 著『白銀妃』1巻 / エンターブレイン
謁見前に食べ過ぎていたため気持ち悪くなってゲロを吐いてしまったリリーニャ。それを見て、何かに目覚めてしまったアルスラ王。
嘔吐萌えとはなかなかニッチな王様ですね……。やっぱ変態だったか。
後宮はマルテナさんのために
ゲロから始まる恋もある、ということで今後はこの2人の恋愛をメインに話が進んで行くのかと思いきや、なんせ王様が「女なんて面倒臭い」という性格なので、今のところは側室たちの日常話がメインになってます。
出典：睦月のぞみ 著『白銀妃』1巻 / エンターブレイン
今までハーレムの中で1番可愛かったのに、新人リリーニャの加入でその座を脅かされそうな危機感から、リリーニャをいびろうとする先輩側室のマルテナさん。
後宮らしいドロドロの展開が始まるのか……と思っていたら、結局ボケ倒すリリーニャとツッコミ役のマルテナというナイスコンビに落ち着きました。
このマルテナさん、天性のイジられキャラが幸い（災い？）してか、王様よりもハーレムを満喫しちゃってます。
出典：睦月のぞみ 著『白銀妃』1巻 / エンターブレイン
こんな感じで側室同士でキャッキャやってる百合要素も満載。
王様は性格的に複数の女性を愛することは難しそうなので、リリーニャ1人に専念してもらってハーレムの方はマルテナさんにまかせておきましょう。
そうすれば作品的にも「ほのぼの恋愛物 + 百合コメディ」という、一粒で二度おいしい的な感じでよろしいんじゃないでしょうか。
表紙・裏表紙を見ると、今回活躍した3人の側室以外にも可愛い娘がたくさんいるみたいなので2巻が楽しみです。
無能ムルフト
最後に1つ言いたいことがありまして。それは冒頭の側室候補選抜試験に関してです。
最終的には前述の通りリリーニャが選ばれるわけですが、そのリリーニャの前に登場した15歳の女の子がすごく可愛かったわけです。
ところが審査員のムルフトは「胸が無い」という自身の勝手な判断基準により、この娘を不合格にしてしまいます。
アホなんですかね、この男は？
15歳ならまだ成長の余地はあるでしょうし、なにより王様が無類の貧乳好きだったらどうするつもりなんでしょうか？
王様の部屋でゲロ吐いたリリーニャを処分しようとした短気な側近がいましたが、私的には貧乳の価値が分からないムルフトこそ処分する必要があるんじゃないかと思いましたね。
というか決定権は王様にあるとはいえ、側室を選ぶのは王様じゃないとは……。ハーレムを作る上で一番楽しい工程だと思うんですけどねぇ。
