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まにお『きたない君がいちばんかわいい』1巻感想 乙女の園はゲロまみれ

作品概要

タイトル:きたない君がいちばんかわいい
著者:まにお
出版社:一迅社(百合姫コミックス)
巻数:1巻(以下続刊)

キレイなあの子を汚したい。
尖った性癖を持つ女子高生の、アブナイ放課後を描いた百合物語

 

あらすじ

クラスでも目立つグループに属する瀬崎愛吏(せざき あいり)と、地味なグループに属する花邑ひなこ(はなむら ひなこ)。

普段は全く接点が無さそうに見える2人ですが実は同じ中学校出身で、その頃からの親友と呼べるような間柄です。
しかしそれは健全な友情とは程遠く……


中学時代、体育の授業中のこと。
持久走の途中で気分が悪くなり、吐いてしまって汚物にまみれるひなこを見た愛吏は「こんな可愛い子がこんな汚いものを出すんだ」と、何かに目覚めてしまいます。

それ以降、ひなこに対して「恥ずかしいこと・汚いこと」を定期的に要求するようになった愛吏。そんな愛吏に依存しているがために「求められるのは嬉しい」と、全てを受け入れるひなこ。

高校に進学してもその関係は続き、放課後になると誰もいない化学実験室で密会しては、常人には理解しがたい情事に溺れるのでした。

 

感想(ネタバレ度:中)

愛吏ちゃんは性格も性癖も問題アリ

この作品を読んでまず最初に感じたのは

タイトルと内容が違うやん!

でした。
内容的には『きたない君がいちばんかわいい』というよりも『苦しむ君がいちばんかわいいの方がしっくりくる感じです。

愛吏が自分で作った弁当をひなこ食べさせ、放課後に喉に指を突っ込んで吐かせる。愛吏が属するギャル軍団の連中にピアスを開ける道具を借りてきて、嫌がってるひなこに強引にヘソピアスを開ける。
汚いものうんぬんよりも、苦しむひなこを見てはゾクゾクしてる愛吏といった様相で、正直見ていて気分の良いものではありません。

個人的には「一緒にトイレに入って排尿の様子を観察」みたいなライトな変態行為を期待していたんですが、ちょっと想像の斜め上でした。

そういう私が期待したような初級レベルの変態遊戯は、恐らく作中では描かれていない中学時代にもう経験してしまったのでしょう。
本作で描かれる高校時代は、よりエスカレートして見るに堪えないレベルまで到達してしまっている感じなのです。

 

性癖ピンポイント爆撃

このような内容ですから、当然ながら好き嫌いは分かれるはずです。
Amazonのレビューなんかも賛否両論まっぷたつだろうと思い覗いてみると……。

おい。
全員まさかのオール星5なんだが?

この国の行く末が心配になるわね……。

さすがHENTAI大国だね!

Twitterで作品名を検索しても、ざっと見るかぎり絶賛するツイートしか見当たりません。もしかして私が潔癖なだけで、この程度の変態行為は世の中ではスタンダードなんでしょうか……。

それはともかくとして私個人としては、見たいシーンと見たくないシーンが混在していて、評価がなかなか難しい作品でした。


例えば第5話。
お漏らししちゃったひなこのオシッコを愛吏が舐めるシーンなんかは私好みの変態加減なんですが、そのお漏らしに至る原因となった首絞めは正直不快です。

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出典:まにお 著『きたない君がいちばんかわいい』1巻 / 一迅社

心優しい私は美少女が羞恥に震える顔は大好物ですが、苦痛に悶える様はあまり見たくはないので。
恥ずかしい行為を強要するだけならいくらでもやってもらって構わないんですが、ひなこの身体に負担がかかって健康面が心配になる描写が結構あるので気が気ではありません。

 

あなた、私たちに付いてこれて?

私が思うに、この作品の最大の問題点は、愛吏が性癖に目覚めた中学時代から作品の舞台となる高校時代までの間、詳しく描かれていない空白の期間があることです。

先にも少し書きましたが、愛吏が開眼してからいきなり現在のような過激な変態行為に及んだわけでは無く、軽めの変態行為で満足していた初期段階があったはずです。
そこから徐々にエスカレートしていき、愛吏とひなこは現在のような常人には理解しがたい領域まで到達したと推察できるわけです。

この中学~高校の期間、2人が変態として研鑽を積んでいたであろう期間が詳しく描かれていないがために、読者的には段階を踏むことなくいきなり上級者のプレイを見せつけられる形になるわけです。

例えばスポーツ漫画では、初心者の主人公と共に読者も自然とルールや競技特性を学んで成長していけるようなパターンがよく採用されています。

それと同じように、2人が変態として徐々に成長していく過程を描くと同時に、読者の変態の素養を磨く機会を与えてくれていれば、もう少し愛吏とひなこの変態遊戯を抵抗なく受け入れることが出来たんじゃなかろうかと思いました。

ただ、このへんの加減は難しいところで、私のような甘ちゃんにとっては刺激が強すぎる内容であっても、その筋に精通する猛者にとっては

ぬるい……
ぬる過ぎるわっ!!

となってしまう場合もあります。
この作品がそういうベテラン勢に向けて描かれたものであり、付いてこれない初心者は振り落としていくスタイルなのであれば、それはそれでリスペクトすべきでしょう。

 

まとめ

とても万人にオススメできる内容ではありませんが、刺さる人にはたまらないであろう作品です。

単にアブノーマルなシーンを羅列してるだけというわけでもなく、1巻の終盤では2人が変態行為に興じている場面を友人に見られてしまうなど、ストーリー的にも見所はあるので、ドロドロとした百合作品が好きな人も読んで損は無いと思います。
絵もキレイですし女の子もカワイイので、そのへんの内容とのギャップもまた魅力です。

あと、タイトルの「きたない」がどこまでを意味するのかが気になる方もいらっしゃるかもしれませんが、とりあえず今のところウ〇コは出てこないので、そのへんはご安心ください。

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