作品概要
タイトル:ヨシノズイカラ
著者:ヨシノサツキ
出版社:スクウェア・エニックス(ガンガンコミックス)
巻数:2巻(以下続刊)
売れない漫画家から一転、路線変更して売れ始めた漫画家の日常ド田舎暮らしを描いたコメディ作品。
あらすじ
生まれ育った離島で田舎暮らしを続けながら、細々と執筆活動を続ける漫画家・遠野成彦はデビュー以降、鳴かず飛ばずで気付けば漫画家生活10周年。
連載作品が打ち切りとなり、次回作に向けて迷走していた遠野に担当編集が提案してきたのは、遠野が暮らす島を舞台にした日常物でした。
ファンタジー物に固執する遠野は乗り気ではありませんでしたが、実際に描いてみると思いのほか好評で……。
感想(ネタバレ度:中)
事毎にチラつく『ばらかもん』の影
作者さんの前作『ばらかもん』が大好きだったので、どうしてもそれと比較した感想になりますがご容赦ください。
まず、第1話がとても面白かったです。
島の中でも特に田舎者な少年4人組の学園生活が描かれていて、コメディ要素が強く『ばらかもん』っぽい雰囲気でした。
しかし第1話は、本作の主人公であり漫画家の遠野が描いた作品『わっかもん』のお話。つまりは劇中劇です。
なので2話以降は、あらすじに書いたような遠野の日常が描かれているわけですが、こちらは若干コメディ要素が抑え気味に感じました。
売れない漫画家が主人公ということもあり、ちょっぴりビターな空気も流れます。
これはこれで面白くはあったんですが、1巻に関しては個人的には第1話が面白さのピークでした。
ただ、2巻になると遠野の漫画が売れ始めて雰囲気が明るくなること、そしてキャラクターも徐々に増えて賑やかになり、1巻に比べてかなり面白くなってきます。
逆に今度は劇中劇が邪魔に感じるくらい。
最初はしっくりこなかった主人公の遠野に対する愛着も少しずつ湧いてきました。
美少女募集中
まだ2巻を読んだだけなので『ばらかもん』と比較して面白いかどうかを論ずるのは早すぎますが、現時点で圧倒的に劣っていると感じるのがキャラクターの魅力です。
遠野に対する好感度も上がってきたとはいえ、やはり作中随一の萌えキャラだった半田先生とは比較になりません。
それよりも問題なのが、相棒役のとし坊です。
めちゃくちゃ良いヤツっぽいんですけど、金髪にピアスというルックスと溢れ出るパリピ臭に対して、私の陰キャ体質がどうしても拒否反応を起こしてしまいます。
2巻の表紙を見てよ。
ものすごく胡散臭い笑顔だな。
私のゴーストが囁くのよ……。
「こいつは信用できない」ってね。
そして最大の問題は『ばらかもん』の美和・タマのような、可愛い女の子が全く出てこないことです。
2巻から登場するツインテ幼女が、ツインテに恥じないツンデレ具合で非常に可愛いんですが、いかんせんまだ小学生なのがネックです。
私は意外と常識的な人間で、小学生相手にハァハァできるほど訓練もされていないですからね。
遠野の担当編集・林さんも超可愛いんですが、遠野が離島在住であるかぎり登場頻度は限られるでしょう。
ここはやはり、レギュラークラスの女子中高生にご登場いただきたいところです。
まとめ
1巻を読んだ時点では「う~ん……」って感じでしたが、2巻からかなり面白くなってきました。
テイストとしては『ばらかもん』に近いので、『ばらかもん』が好きだった人は問題なく楽しめるはずです。
あとは遠野と林さんが、変に恋愛方向に進んで行かないことを願うばかり。