萌え漫画中毒隔離病棟

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牧童の青春を描いた名作競馬漫画『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』全26巻 感想

じゃじゃ馬グルーミン★UP! (全26巻)
小学館 少年サンデーコミックス
著者:ゆうきまさみ

北海道が舞台の、競馬を題材とした群像劇。騎手や馬ではなく「競走馬の生産牧場」にスポットを当てた作品で、そこで働くことになった高校生の恋愛や成長が描かれています。

 

運命の行き倒れ

親に言われるがまま東京の有名進学校に通い、特に夢や目標も無くなんとなく勉強する日々を送っていた普通の高校男子・久世俊平
高二に進級する前の春休みを使って単身バイクで北海道を旅していた俊平でしたが、財布を落としてしまい乗っていたバイクもガス欠。広大な北海道をバイクを押しながらさまようハメになり、競走馬の生産牧場である渡会牧場の敷地内で、ついに行き倒れてしまいます。
近くを通りかかった牧場主の娘に拾われた俊平は、なんやかんやあって渡会牧場でしばらく働くことに。思いつきで始めたアルバイトでしたが、馬の出産に立ち会ったりレースで共に喜びを分かち合ううちに、徐々にこの仕事に熱中していくのでした。

 

馬を育てつつ愛を育む

俊平がお世話になる渡会牧場の社長には4人の年頃の娘さん(一人は小学生なんで正確には3人か)がいます。 そんな所に健全な高校男子がご厄介になれば、そりゃあ色恋沙汰の一つや二つあろうというもの。

ヒロインを務めるのは俊平と同い年の次女・渡会ひびき
不器用で無愛想、馬に全てを捧げるツンデレさんで、最初は「恋愛?なにそれ、うまいの?」と言わんばかりで取り付く島もない彼女ですが、共に仕事をしていくうちに俊平と徐々に仲良くなっていきます。

それにしても長女の名前が「あぶみ」で次女が「ひびき」、三女が「たづな」で四女が「ひづめ」か…

ヒロインだからなのか「ひびき」だけ別格ね。姉妹間の名前格差が酷いわ。

オレなら名前が原因でグレてるな。

4姉妹の中では圧倒的に三女のたづなちゃんが可愛すぎて、個人的には彼女一択だと思うんですけど好みは人それぞれですからね。

それはともかく、俊平とひびきのラブコメパートがこの作品の柱であり、二人が結ばれるまでのスレ違いやら親の反対やら姉妹の修羅場やらが描かれているわけです。 あくまでコメディですから重い話にはなりませんが、萌え豚の私が普段ブヒブヒ言いながら読んでるような「主人公に都合のよい環境で複数の女の子に異常にモテモテ、なのに女の子同士もなぜか仲良し」みたいな感じの、男子の妄想を具現化したようなしょうもないラブコメ(そのしょうもなさが好きなわけですが)とは一味違います。

わたし、あなたが好きなの!

ワイもやで!

少年漫画のラブコメはここでハッピーエンドというのが大半だと思うんですが、本作のように結婚そして出産までの過程が詳細に描かれているのは珍しいんじゃないでしょうか。そういう意味では、ラブコメというよりホームドラマといった方がしっくりくるかもしれません。
ドラマや映画など、漫画の実写化が死ぬほど嫌いな私ですが、この作品こそドラマ化に向いてると思うんですけどね。馬の出てくるシーンが難しいかな?まぁ仮に実現しても絶対観ないんですが。

 

優しい勝負の世界

競馬がテーマであれば本来は主役となるであろう騎手・馬・調教師などなど、メインの渡会牧場の人々の他にも個性的なキャラが多数登場します。
「説明のつかない勝ち方をするが、不可解な負けも多い」かつて天才と呼ばれた騎手や、現役最年長のベテラン騎手とその息子の親子騎手。 地力はありながらもなかなか結果を残せない馬や、「双子の馬が2頭そろって大成することはない」という理由から売れ残る双子の片割れ。 そして当初は俊平の恋のライバルとして登場する大牧場の息子・醍醐悟など、それぞれにドラマがあります。
特に悟さんは恋敵にしては人が良すぎて憎めないキャラで、正直俊平よりこっちに肩入れしたくなる人も多いかも。ひびきには結果的にフラれるわけですが、最後には収まるべきところに収まった感じで幸せそうで良かったです。

この作品の良い所は、登場人物は皆いい人ばかりで雰囲気が全体的にほのぼのしているところ。 現実の競馬の世界といったら大金が動くわけですから、とても笑い話にできないようなドロドロした暗い部分があるんでしょうけど作中はそんなものとは無縁です。

 

競馬初心者大歓迎

ここまで読んで「ちょっと興味が出てきたけど、競馬とか全然わかんないし…」という方もご安心を。私は競馬に全く興味が無いし当然詳しくも無いですが、そういった人でも問題なく楽しめます。
俊平も競馬に関して全くの素人状態で話が始まり、俊平に対するチュートリアルは読者に対するチュートリアルでもあるので必要な知識は自然と学ぶことができます。 よく分からなくてもレースのシーンは自然と熱くなれますしね。

競走馬の生産牧場が舞台ということで、登場する馬の血統なんかもかなり細かく設定されているらしいです。 他にも外国産馬と国産馬のしのぎ合いや、なかなか厳しい北海道の生産牧場の現実など、素人目にはそこそこリアルに描かれているように見えるんですけどどうなんでしょ。

しかしこの作品に限らず実在のスポーツなんかを扱った作品は、下手に知識があるより素人のほうが純粋に楽しめる気がします。私はサッカーが大好きですが、サッカー漫画はほとんど読まないですからね。

 

三女の悲劇

私が今後必要に迫られ漫画を整理する日が来たとしても、絶対に手元に残すであろう漫画の1つがこの作品です。それぐらいお気に入りであり、かつオススメしたい名作です。

唯一の不満点を挙げるとすれば、たずなちゃんの扱いでしょうか。そのあまりの可愛さに故にヒロインのひびきを脅かす存在となってしまったからか、途中からダサい髪型にダサい眼鏡というマイナス補正をかけられてしまったのが残念でした。

あと、どうでもいい話なんですが「じゃじゃ馬グルーミン★UP!」というタイトルが微妙に恥ずかしいと思うのは私だけでしょうか。

あなたの好きな漫画は何?

じゃ、じゃじゃ馬グルーミンアップ

え?何だって?

じゃ、じゃじゃ馬ゴニョゴニョ

は?何て?

こんな感じで、どうにも口に出すのが恥ずかしくて声がちっちゃくなってしまい、聞き返されてさらに恥ずかしくなるという悪循環。気にせず堂々と言うべきなんですかね。