萌え漫画中毒隔離病棟

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城跡を散策する渋カワイイ女子高生『東京城址女子高生』1巻 感想

東京城址女子高生 (1巻)
エンターブレイン ハルタコミックス
著者:山田果苗

城址(かつて城が存在した場所、城の跡)を求めて大都会・東京の街中を散策する女子高生2人組を描いた、ちょっとアカデミックな城址めぐりコメディ

 

きっかけは失恋

ガサツでキレやすい女子高生・広瀬あゆりが、彼氏にフラれた怒りにまかせて思いっきり投げつけたペットボトルがリバウンドし、城址めぐりが趣味の同級生・持田美音の頭部を直撃。ケガ(たんこぶ)をさせたお詫びとして、あゆりは美音の城址巡りに付き合うことになってしまいます。

最初は全く興味が無かったあゆりでしたが、半ば強引に連れ回されるうちに普段何気なく通っていた場所もかつては城だったことを知り、徐々に城址めぐりに積極的になっていく…というお話です。

 

知的好奇心を刺激する

女子高生の趣味としては城めぐりでも十分に渋いと言える部類ですが、そのさらに上をいく「城址×女子高生」という、激渋茶と砂糖菓子のような取り合わせです。城址、つまり城の跡なので当然派手な天守閣などは出てこないので画的にはかなり地味ですが、そのへんは女子高生の華やかさでカバー。
史実に基づいた歴史的考察はもちろん、サギソウ伝説や太田道灌の話のような文学的アプローチなど、多角的に城址を楽しむインテレクチュアルな香りがする作品です。

こういう自分の知らなかった世界を覗くというのは楽しいものですね。勉強にもなりますし。しかもそのガイド役が女子高生ですから言うことないです。
東京に住んでる人が読めば、おなじみの場所がたくさん出て来てさらに楽しめることでしょう。

 

もう少し居心地の良い世界で城址に浸りたい

そんな知的で素敵な作品ではありますが、残念ながら主人公のあゆりは知的には程遠いキャラクターです。

単に勉強が出来ないだけならともかく、頭の中は男のことばかり。行動原理の全てが「男」と言っても過言では無いあゆりの性質は、少々受け入れ難いと言わざるを得ません。

1ページ目から彼氏持ちであることが発覚し、フラれた後は合コンで男漁り。とんでもない尻軽だな!

掲載誌「ハルタ」の読者層が分からないけど、少なくともオタク男子からは不評を買いそうなキャラではあるわね。

友達とも男の取り合いでギスギスしてるし。俺が普段読んでる漫画の女子高生って、もっと可愛い生き物なんだけど…。

残念ながら、リアルに近いのはこっちなんでしょうね。

タイトルに「女子高生」が付いている以上、どうしてもキャッキャウフフ的なものを期待せずにはいられないわけですが、そういう場面は一切なし。雰囲気としては女子高生より女子大生という設定にした方がしっくりくる気がします。
その他の登場人物も、あゆりの妹や母親や元カレなど不快に感じる人材が多くて、読んでいてイマイチ城址に集中しきれないのは残念でした。

とはいえ、相方の美音は可愛いし、城址仲間の田辺先生も良い味出してます。あゆりも根は悪い子ではないですし、城址めぐりのおかげか少しづつ落ち着いてきた感じはするので今後の人間的な成長、そして城址マニアとしての成長を期待しています。