萌え漫画中毒隔離病棟

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本の力で世界を繋ぐ物語、その序章『図書館の大魔術師』1巻 感想

図書館の大魔術師 (1巻)
講談社 アフタヌーンKC
著者:泉光

「本」に財宝並みの価値がある世界を舞台に、本好きの孤独な少年が、全ての本を取り仕切る中央図書館の司書と出会い成長していく様を描いたファンタジー作品

 

司書と貧しい少年の出会い

物語の始まりは辺境の小さな村・アムン。そこに住む本が大好きな少年・シオは、村の図書館に入れてもらえません。

その理由は彼が貧民街に住んでいること、そして異民族とのハーフである彼の見た目が、他の村人達とは大きく異なること。 この村の人たちは大半が浅黒い肌に黒髪ですが、この少年は白い肌に金髪碧眼そして長い耳という、エルフのような外見です。村のクソガキ共がこんな特徴的で目立つ外見を放っておくはずもなく、当然のように「耳長」と呼ばれイジメの標的にされていました。

それでもいつかは本の中の物語のように、自分を迎えに主人公が現れてこの世界から連れ出してくれると信じて耐えていたシオくん。そんなある日、本の都・アフツァックにある中央図書館から派遣された司書(カフナ)の一団が村を訪れたことをきっかけに、シオの運命は大きく動き出すことになるのでした。

 

緻密な絵と設定

実は私、あらすじも読まずに表紙だけ見てこの作品を購入したんですが、中身を読むまでシオくんは女の子だと思い込んでいました。

きらびやかな表紙にショートヘアの美少女…これはステキな作品の予感がしますね。

その子、男の子なんだけど。

な、なんだってー!
オレは耳の長さには寛容だが、チ〇コは許せねぇ男だぞ!

しょうもないこと言ってないで読んでみたら?面白いから。

はぁー…
なにが悲しくて男の子の成長を見守らなきゃならんのか…。

こんな感じですっかりテンションが下がってしまい、鼻クソほじりながら流し読みモードに突入するつもりでしたが、そんな私を再び物語に引き込むだけの力がこの作品にはありました。

その要因の一つは、作りこまれた世界設定
中央図書館の組織体系は興味深くてもっと詳しく知りたくなりますし、本の修復方法や薬の調合などは空想か現実か分からないほど具体的に記されています。カバーの下にも設定資料がギッシリで、こういうのを読むのが好きな人はかなり楽しめるんじゃないでしょうか。

そして特筆すべきなのが、超が付くほど美麗な絵
雄大な自然から、本棚にギッチリ詰まった本の1冊1冊、そして描くのが面倒くさそうな司書たちの服の細かい装飾など、目がチカチカしそうなほどに描き込まれています。作者さんはマゾなのかという疑問が湧いてくる、自らを追い込むようなデザインの数々は一見の価値あり。

 

意外と優しい世界

主人公のシオくんは若干6歳にして両親がおらずお姉ちゃんと貧民街に住み、容姿の違いから村ぐるみでイジメられているという、なかなかスパルタンな境遇です。

それだけに「シオくんを学校に行かせるために朝から晩まで働いているお姉ちゃんが、実は体を売っているんじゃないか」とか、「シオくんが司書さんに借りた大事な本をイジメっ子たちに奪われてボロボロにされるんじゃないか」とか、ショッキングな展開に備えて心の準備をしながら読んでました。

しかし村人たちも根っからの悪人というわけでもないので、ハードな話が苦手なメンタルが豆腐の私みたいな人でも安心して読むことができます。

 

可愛い司書たちの7年後

この作品の魅力として忘れちゃいけないのが、美人ぞろいの司書の女の子たち 。女の子と呼ぶのをはばかられる年齢の方も一部いらっしゃいますが、見目麗しく有能な人材ばかりです。
ちなみに私のお気に入りはナナコちゃん(17歳)。不愛想なのが玉にキズとのことですが、不愛想なところが可愛いんですよね。

美少女だと思ってたシオが男の子であるという事実を知ってからは、ナナコちゃんを愛でていくことを決意した私でしたが、1巻の最終盤で物語は一気に7年後まで飛んでしまいます。
どうやら物語の本番はここから。1巻はシオが司書と出会い、司書になるためにアフツァックを目指すことを決意するまでを描いたプロローグに過ぎなかったようです。

ナナコちゃんが今後登場する機会はあるのだろうか…。

あったとしても7年経ってるのよ?ナナコちゃんも24歳だし、男がいるでしょうね。結婚して子供を産んでいる可能性もあるわ。

ぎゃー!やめてくれー!
ひぃぃー…今から震えが止まらねぇよ…。

派遣組最年長だったアンズさんに至っては、もう40…

それ以上はアンズさんの目が開いちゃうのでやめたまえ。普段目を閉じている人が目を開くとヤバいってのは、乙女座の黄金聖闘士から学んだはずだ。

どうでもいいけど「せいんと」って打ったら「聖闘士」に変換できるのね。

そんな戯言はともかく。ファンタジー好きな方はもちろん、美麗な絵を見るだけでも楽しめる作品なので、表紙を見てピンときた方はぜひ読んでみてください。

そうそう、タイトルの正式な表記は『図書館の大魔術師』の「図書館」の字は「くにがまえに書」という見慣れない字なので探すときはご注意を。