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漫画で学んだ知識と雑学 第2回「閑古鳥(かんこどり)」ほか

このコーナーでは、私が漫画がきっかけで得た知識や雑学を調べ直し、その内容をまとめた上で紹介していきます。

前回の記事

閑古鳥(かんこどり)

人が集まらず寂しいさま、客がおらず閑散としたさまを「閑古鳥が鳴く」と言いますが、この「閑古鳥」とはいったいどんな鳥なのか?
本屋のバイトで生計を立てる、売れないアラサー小説家・菫子さんが怪異に挑むオカルトミステリー『怪異と乙女と神隠し』にて、バイト仲間の化野くんが教えてくれました。

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出典:ぬじま 著『怪異と乙女と神隠し』1巻 / 小学館

閑古鳥とはカッコウの別名だったのです。
カッコウの鳴き声が寂しげな響きであり、また鳴く場所も人里離れた野山であったため、この言葉が生まれたそうです。
かの有名な松尾芭蕉も「憂き我をさびしがらせよ閑古鳥」という句を読んでおり(閑古鳥よ、その鳴き声で憂鬱な私を寂しがらせてくれ、その寂しさに浸りたいのだ。みたいな意)昔の人もカッコウの声は寂しいものだと捉えていたようです。

さて、そもそもカッコウとはどんな鳥なんでしょうか。
カッコウCuculus canorus)とは。
ユーラシア大陸やアフリカに広く分布し、日本には5月頃に飛来する渡り鳥。
和名のカッコウはオスの鳴き声に由来し、世界的に見ても鳴き声が名前の由来になっていることが多い。

カッコウの生態で有名なのが、なんといっても「托卵」でしょう。
メスが他種の鳥(オオヨシキリ、モズ等)の巣に卵を産み付け、卵の世話を押し付けるというアレです。
托卵の際には、元から巣にあった卵をひとつ持ち去って数を合わせるそうです。
カッコウの卵は元からあった卵よりも先に孵化し、孵化したヒナは元からあった卵を巣の外に放り捨てます
こうしてカッコウのヒナは親鳥のエサを独占して育ち、托卵に気づかない親鳥は自分の子供と信じて甲斐甲斐しく世話を続けるのです。

子供の頃に図鑑で、自分より大きくなったカッコウのヒナにエサをあげ続けるオオヨシキリの写真を見た時はゾッとしたわね。

トラウマとまでは言わんが、軽いホラーだよな。

カッコウが托卵する理由は解明されてませんが、カッコウは体温調節が苦手で体温の変動が激しいため、体温が安定している他の鳥に卵を温めてもらう方が確実だから、という説が有力だそうです。

 

ウェット&メッシー(WAM)

スケベに生き、スケベに殉ずる女子高生の下ネタコメディ『私、スケベ以外興味ないので』より。

放送室に出るという幽霊を調査する回で、幽霊に関する情報を聞いた山科さんが、幽霊を想像したシーンです。

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出典:井手美貴 著『私、スケベ以外興味ないので』1巻 / 白泉社

ウェット&メッシー(Wet and Messy 略してWAM)」とは、自分または他人が衣服を水で濡らしたり汚したりする行為に興奮する、性的嗜好(フェチ)の一種です。
ウェット(濡らす)は分かりますが、メッシーとは「汚す」ことで、この2つの合わさった状況を総じて「ウェット&メッシー」と呼ぶそうです。

ああ…
要するにスカトロね。

と思いましたが、スカトロジーとは別分野らしく、明確に区別されるそうです。
何を使って濡らす(汚す)か、服は着るのか着ないのかなど、WAMの中でも好みは多岐にわたります。
また、中には「濡れ」は好きだけど「汚し」は嫌いという人もいて、そういった人たちはWAMとはさらに別に区別される向きもあるとのこと。

なんかもうワケ分からんね。

「濡れ」はなんとなく分かるものの「汚し」の良さが私には全く理解が出来ませんが、まぁフェチってそんなもんでしょう。
私も足フェチをやらせてもらってますが、「脚」ならともかく「足」は理解できないという人も多いですからね。

 

オートアサシノフィリア

特殊な性癖で思い出したのが、数年前に読んだ『女子高生に殺されたい』という作品。
タイトルの通り、「女子高生に殺されたい」というヤバい願望を持つ高校教師が、その実現のために計画を遂行するという内容です。

この理解しがたい変態の極地とも言うべき性的嗜好にも、精神疾患として名前が付けられていました。

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出典:古屋兎丸 著『女子高生に殺されたい』1巻 / 新潮社

オートアサシノフィリア(Autoassassinophilia)とは。
自分が殺されることに性的興奮を覚える性的嗜好の事。殺されることに対する欲求であり、自殺願望や自傷行為とは別物。……だそうです。

これはさすがに理解不能。

理解しちゃダメでしょ。

最終的にこの高校教師の計画が成就したかどうかは……実際に読んで確かめてみてください。(正直どんな結末だったか忘れた)

 

ドクツルタケ

前回ご紹介した、「キノコ」がテーマのアカデミックコメディ『三枝教授のすばらしき菌類学教室』に登場したキノコの中から、私が特に気になった毒キノコ2種類について調べてみました。

まず一つ目が、日本に自生する毒キノコの中でもトップクラスの危険度を誇る「ドクツルタケ」です。

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出典:香日ゆら 著『三枝教授のすばらしき菌類学教室』1巻 / 角川書店

ドクツルタケAmanita virosa)とは、ハラタケ目テングタケ科テングタケ属の、中~大型のキノコ。
純白の麗しい姿と、1本で1人の人間の命を奪うほど毒性が強いことから、欧米では「破壊の天使(destroying angel)」という、やたらとカッコイイ名前で呼ばれているそうです。

このキノコを食べると、腹痛・嘔吐・下痢といった症状が起こります。
それらは1日ほどでいったん治まったかのように見えますが、数日から1週間後には肝臓や腎臓の組織が破壊され、適切な処置がなされなければ死に至ります。運良く助かっても後遺症が残ることが多いそうです。

1週間後っていう時間差が怖ぇな。

ちなみに味は良いそうよ。

キノコ狩りの名人が素人に対して「白いキノコは絶対に食うな!」とよく言うそうですが、それはこのキノコを避けるためだそうです。
そのへんに普通に生えてくるらしいので、絶対に食べないように気を付けましょう。

 

ドクササコ

二つ目の毒キノコがこちら。
食べても死に至ることはまれですが、ある意味ではドクツルタケよりも恐ろしい「ドクササコ」です。

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出典:香日ゆら 著『三枝教授のすばらしき菌類学教室』1巻 / 角川書店

ドクササコParalepistopsis acromelalga)とは、ハラタケ目キシメジ科パラレピストプシス属の、橙褐色から黄褐色のキノコ。
食べると毒キノコの中でも異彩を放つ、特異な中毒症状を引き起こします。その症状というのが、身体の末端部分(手先、足先など)が赤く腫れて激痛が生じるというものです。

末端部ってことは、
おチ〇コ様ももしかして……。

察しがいいわね。
死んだ方がマシと思える、地獄のような痛みらしいわよ。

しかもその症状が1か月以上の長期に渡って続くえげつなさ。
ドクササコの毒で直接死ぬのはまれですが、その苦痛から逃れるために自殺する人や、睡眠不足で衰弱死する人もいるそうです。

モルヒネすら効かないらしいよ。

ただひたすら苦痛に耐えるしかないのか……。

皆さんも、よく分からないキノコは絶対に食べないようにしましょうね。