漫画と言えば、昔は「子供が読むもの」「オタク臭い」などと、あまり良い印象を持たれていなかったように記憶しています。
ところが近年では、テレビで芸能人が
わたし漫画が大好きなんですぅ~。
オレって実はオタクなんですよねー。
とアピールしたり、リア充御用達の情報番組で漫画の特集が組まれるなど、漫画のイメージも随分と向上したように思います。
とは言え、漫画が読書に含まれるのかどうかは意見が分かれるところで、書物の中での漫画の地位はまだまだ低いのが現状です。私も履歴書に「趣味:読書(漫画)」と書く勇気はありませんしね。
しかしそんな漫画からでも学べることは少なからずあって、「漫画のおかげで難読漢字を読めるようになった」「漫画のおかげで言葉の意味を知った」なんてことは、誰でも1度くらいは経験があるはずです。
たしかに文字がギッチギチに詰まった小説や学術書を読むのに比べれば、漫画で知識や教養を得ようだなんて、キュウリでカロリーを摂取しようとするくらい効率が悪いことでしょう。(キュウリは最もローカロリーな果実としてギネス世界記録に登録されている)
それでも楽しむついでに偶然にでも知識を得ることが出来るのなら、何も読まないよりかは多少なりとも勉強になるはずです。
ということで、この企画では私が漫画がきっかけで得た知識や雑学を調べ直し、その内容をまとめた上で紹介していきたいと思います。
一蹴(いっしゅう)
私が漫画で覚えた言葉として真っ先に思い浮かぶのが、伝説のバスケットボール漫画『スラムダンク』で初めて見た「一蹴(いっしゅう)」という言葉です。
改めて意味を調べると、
- にべもなく拒絶すること。
- 軽く勝負に勝つこと。
(三省堂 大辞林 第三版)
とあります。
この言葉が登場したのは、25巻に収録されている218話。
インターハイ2回戦で湘北高校と対戦することになった絶対王者・山王工業は、試合前日に山王工業OBを集めて練習試合を行います。
仮想・湘北と言うにはあまりに豪華な、もはや大学オールスターともいうべきOBチームを相手に、さすがに「ここ10年の中でも最高のチーム」と評される現役たちも苦戦するかと思いきや……。
一蹴!!
そう、取材に来てた記者の予想に反して一蹴してしまうのでした。
一蹴ってwwww
バスケは蹴っちゃダメだろwww
なんて、当時アンポンタンなクソガキ(小学生か中学生)だった私は思ったわけですが、気になって辞書を引いてその意味を理解しました。
当時はインターネットなんて無かったですからね。言葉の意味を調べるのも一苦労でした。
クリエムヒルト
私がなぜ今回の企画をやろうと思ったのか。
そのきっかけとなったのが、少し前に書いた『みだりにみだらな黒雪姫』というお色気ラブコメの感想です。
作中に出てきた「破傷風」について、聞いたことはあるけど詳しくは知らなかったので調べてみたんですが、この作業が結構面白かったわけです。
この作品で「破傷風」とは別にもう一つ気になったのが、ヒロインの雪音ちゃんがゲームキャラに付けていた「クリエムヒルト」という名前。
何か元ネタがありそうだと思い、調べてみることにしました。
クリエムヒルト(ドイツ語表記:Kriemhild)とは。
ドイツの叙事詩『ニーベルンゲンの歌』に登場する英雄・ジークフリートの妻の名前。
前半は優しくて美しい乙女として描かれるが、後半は夫を失い復讐に燃える鬼女と化す。
簡単にまとめるとこんな感じです。
前半と後半で人格が激しく変わるところは、普段はクールでドSに振る舞いながら、中身は中二病のドMという雪音ちゃんの2面性と通ずるところがあります。
そして中二病と親和性の高いドイツ語ということで、クリエムヒルトと言う名が選ばれたんでしょうね。
ドイツ語ってやたらカッコイイんだよな。
内ゲバって内部ゲバルト(ゲバルト:ドイツ語で威力、暴力)の略らしいよ。
余談ですが、大ヒットアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の第10話に登場する「救済の魔女」Kriemhild Gretchen(クリームヒルト・グレートヒェン)の名前も、コレが元ネタだと言われているようです。
魔女図鑑|魔法少女まどか☆マギカ
ペイスティ
見たことはあるけど名前が分からない。
そういう物は世の中にたくさんありますが、その中のひとつがセクシーなダンスを踊る女性の乳首の先に付いている邪魔なコレです。
最近読んだオカルトお色気コメディ『紅椿』で判明したコレの名前は「ペイスティ」。
調べたところ、バーレスクと呼ばれるダンスショーのパフォーマーが、乳首を隠すために着用するものだそうです。
乳輪が大きい人はこれで隠せるのか?
どうやって乳首にくっ付いているのか謎でしたが、どうも両面テープやグルー(接着剤)を使って張り付けているようです。
装飾としてタッセル(房)が付いているものもあり、これをグルグル回す技が人気なんだとか。さらにはタッセルに火を付けて回すファイヤータッセルなんてのもあるそうです。
タンザナイト
お次は、地政学リスクコンサルタント・八田百合が世界を回って揉め事を解決する『紛争でしたら八田まで』より。
興味深い単語がたくさん出てくる作品ですが、私が特に興味を持ったのが「ディバイド・アンド・コンカー(分割統治)」と「タンザナイト」でした。
ディバイド・アンド・コンカーはまとめるのが大変そうだったので、今回はタンザナイトを取り上げます。
タンザナイト(Tanzanite)とは。
「タンザニアの石」を意味する名の通り、東アフリカのタンザニアのメレラニ鉱山で採掘される青紫色の宝石。
ゾイサイト(灰簾石)という鉱物の一種で、バナジウムを含んだ青いもの(ブルーゾイサイト)をタンザナイトと呼ぶ。
「ブルーゾイサイト」が「ブルースーサイド(自殺)」に聞こえることを危惧したアメリカの装飾品ブランド・ティファニー社が「タンザナイト」と名付けて販売したところ、爆発的に人気が広まったとのこと。
ダイヤモンドより希少性が高く、鉱床の寿命も残りわずかと言われていることもあり、近年価格が高騰しているそうです。
12月の誕生石なんだってよ。
ん?
12月の誕生石ってターコイズじゃなかったっけ?
誕生石は月によっては複数選定されていて、また国ごとにも微妙に違い、12月の誕生石はターコイズ、ラピスラズリ、ジルコン。そしてタンザナイトは、割と最近になって追加されたようです。
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