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最強装備はクマの着ぐるみ『くまクマ熊ベアー』1巻 感想

くまクマ熊ベアー (1巻)
主婦と生活社 PASH!コミックス
漫画:せるげい  原作:くまなの  キャラクター原案:029

引きこもりのゲーム廃人な女の子が、ゲームに似た世界に飛ばされてクマの着ぐるみ着て大暴れする異世界冒険コメディ

 

寝ても覚めてもクマ装備

学校にも行かずネットゲームの世界に入り浸る毎日を送る15歳の少女・ユナ
待ちに待った大型アップデートの日、喜び勇んでログインするとアップデートキャンペーンと称して「クマセット」と呼ばれるクマの着ぐるみ一式をプレゼントされます。ゲームのファンタジーな世界観ブチ壊しのファンシーすぎる装備にユナは戸惑いますが、その実態は破格の性能を持つチート装備でした。
見た目は恥ずかしいが性能は惜しい、そんな葛藤をしながらゲームを始めると、目の前に広がるのは見たことの無い世界。そして、そこに立つのは1年間育て上げたゲームキャラでは無く、クマセットを強制装備させられた自分自身。
ベッドに寝転がってゲームをしていたはずのユナは「神様」と名乗る何者かによって、ゲームの世界と似て非なる異世界に転移させられていたのでした。

巷にあふれる転生モノ・転移モノの御多分に洩れず、基本的にはチート能力の主人公が無双するという内容です。
最大の特徴はクマ装備の存在で、チート能力はユナ自身ではなく全てクマ装備に依存していること。しかも便利で快適なので、最初は恥ずかしがっていたユナも常時クマを装備しています。

つまり美少女がクマの着ぐるみで日常生活を送っている状態だな。

だから何気ないコマも、いちいち可愛いのよね。

15歳という大人と子供の境目の微妙な年頃の女の子が、恥ずかしげに着ぐるみ着てるってのがイイよね。

あー…そういう変態チックな見方はちょっと…。

 

私を不安にさせないで

見た目は可愛いユナちゃんですが、意外と好戦的な性格なのか売られたケンカは積極的に買っていくスタイルなので、見ていて少し心配になってしまいます。

ガラの悪い冒険者を挑発したり、ゴブリンの群れに女の子2人で挑んだりと、薄い本のネタになりそうな展開が多くてハラハラするぜ。

クマを着てないと魔法も使えないらしいから余計に心配よね。裸の時を狙われたらどうすんのかしら。

そういえば着ぐるみの下はすぐ下着だったな。まったく、薄い本が厚くなるようなマネはやめろよな。

心配と言えば、ユナが異世界に転移した直後にモンスターに襲われていたフィナちゃん。第10話はフィナちゃんの視点で話が進み、その絶体絶命のピンチをユナに助けられたシーンや、父親のいない貧しい家庭の事情が語られているわけですが、その生い立ちのせいか何というか読んでて心がざわつくというか不安な気持ちになるんですよね…。最後の「明日もいいことあるといいな♪」というセリフがフラグに思えて仕方ありません。

心配ついでにもうひとつ。
巻末にオマケの描き下ろし小説として、ユナが引きこもるに至った経緯が書かれていましたが、クソみたいな両親の話とか出てきて愉快な内容ではありませんでした。株で儲けて金銭的には独立しているとはいえ、社会的にはまだ子供ですからね…おじいちゃんが死んで後ろ盾がなくなったらどうなるんだろう。長生きしろよなジジイ。

そんなわけで全体的にはとても楽しく読めた作品でしたが、こういう心配をする必要が無い、もう少し気楽な内容だとなお嬉しかったです。着ぐるみ着て街を練り歩くこと以上に気楽なことがあるのかと突っ込まれそうですが…。
まぁ私が心配しすぎなだけなんですけどね。かわいい女の子だとどうしても過保護になっちゃいます。これが男キャラだったら身ぐるみ剥がされようがゴブリンに掘られようが知ったこっちゃないんですけどね。