タイトル:みにみに部 -沙々木美仁のミニチュアレシピ-
著者:木村りん
出版社:スクウェア・エニックス(Gファンタジーコミックス)
巻数:1巻(以下続刊)
ミニチュア製作が趣味の地味系女子高生が、ミニチュアがきっかけでクラスの中心的存在である男子たちと仲良くなっていく学園ストーリー。
妄想女子と暴走男子
想像力豊かでミニチュア製作が趣味な高1女子・沙々木美仁は、入学式で学級委員長の狩矢明人を見てからというもの、妄想が止まらず制作意欲を刺激されまくる日々を送っていました。
そんなある日のこと、我慢できなかった美仁は無意識のうちにホームルーム中の教室でミニチュア製作を始めてしまっていました。
過去に自作のミニチュアをバカにされて以降、ミニチュア趣味を隠していた美仁は我に返って慌てて片付けようとしますが、その様子を学校一のヤンキー生徒・旭銀太に見られてしまいます。
その後、美仁に接触してくる銀太。
てっきりイチャモンを付けに来たのかと怯える美仁でしたが、銀太の要件は意外なことに「オレにミニチュアの作り方を教えてくれ」というもので…?
どちらかというと女性向け?
こんな感じでミニチュアを題材に、地味系な女の子とそれを取り巻く男子たちの物語を描いた作品です。
少女漫画というわけでは無いようですが、絵柄や主要人物の男女比率(男が圧倒的に多い)から判断するに、どちらかというと女性向けの作品な気がします。
女性向け漫画の男キャラだからか、男の俺から見ると全然こいつらに魅力を感じないんだけど。
女性から見れば、男性向け萌え漫画の女キャラに違和感しか感じないからお互い様でしょ。
すぐにキレて暴れて手が付けられない粗暴なヤンキーに、張り付いたような笑顔が心の闇を感じさせる委員長。
手芸以外の趣味を認めようとしない、レイシストな手芸部部長なんてのもいましたね。
世の女性はこんな性格ヤバそうな連中に惹かれるんでしょうかね。
イケメンならだいたい許されるわね。
美仁ちゃんがどの男とくっついても、DVやモラハラやらに苦しむ未来しか想像できないのは私だけでしょうか。
ミニチュアの良さを伝えたい
作者さんはミニチュアが好きでしょうし、私もミニチュア製作は素晴らしい趣味だと思ってます。
そして世間的にもそういう評価だと思っていたんですが、作中ではミニチュアに理解が無いような人間が妙に多いのが気になりました。
その急先鋒が、ミニチュアを低俗な趣味だと思ってる美仁の母親です。
この母親、「自分の将来に役立つ趣味を選びなさい」なんて言ってるわね。
そんなもん趣味じゃなくて訓練だろ。
好きなことやらせてやれよ。
ミニチュア製作はクリエイティブで良い趣味だと思うのだけど。
だよな。
ミニチュア製作で低俗なんて言ってたら、もし美仁ちゃんが「銀太×明人」で妄想して薄い本にしたためるような女の子だったらどうすんだろう。
はあ?
「明人×銀太」でしょ、常識的に考えて。
しかしこの教育ママのおかげなのか、どう見てもどんくさそうなルックスに反して、美仁ちゃんは意外なほどにハイスペックです。
居眠りして授業を聞いていなかったにも関わらず、指名されるとスラスラと問題を解いてしまったり、全力疾走すれば運動神経良さそうな銀太が追い付けなかったり。
もう少し自分に自信を持って、モッサリした見た目をどうにかすれば、かなりイケてる女子になれるんじゃないでしょうか。
男をはべらす逆ハーレム物の主人公としてやっていけるポテンシャルは十分にありそうです。
超初心者向けミニチュア製作ハウツー本
サブタイトルが「沙々木美仁のミニチュアレシピ」である通りに、簡単ながらその回で作ったミニチュアの作り方が載っています。
以前からミニチュア製作に興味があった私としては「漫画 + ハウツー本」っぽい内容を期待していたので、その点では概ね満足でした。
巻を追うごとに難易度が上がれば、なお嬉しいですね
今のところ恋愛色は濃くありませんが、キャッチコピーが「ミニチュア×恋×物語」なので、今後は恋愛方面に舵を切っていくことが予想されます。
そうなった時に、ミニチュア製作の部分が疎かになるのだけは避けてほしいところですね。