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氷樹一世『異世界迷宮でハーレムを』1~5巻感想 ロクサーヌのおっぱいだけでここまで来た

作品概要

タイトル:異世界迷宮でハーレムを
著者:蘇我捨恥 / 原作  氷樹一世 / 漫画
出版社:角川書店(角川コミックス・エース)
巻数:1~5巻(以下続刊)

ゲームの世界に転移した高校生がスキルを駆使して成り上がり、夢のハーレム生活を目指す異世界転移ファンタジー

 

あらすじ

学校で軽いイジメを受け世の中に失望している高校生・加賀道夫が、何の気なしに眺めていたウェブサイト見つけた、「2度とこの世界に帰ってくることはできません」という警告を発する怪しいネットゲーム。
警告を無視してゲームを始めた道夫が目覚めた場所は、先ほどキャラメイクを終えたばかりのゲームの中の世界でした。

現代日本とは文化が大きく異なる、剣と魔法の世界で生き延びることを決意した道夫。
この世界に「奴隷制度」が存在することを知った彼は、お気に入りの奴隷を買うためにゲーム開始時に設定したスキルと頭脳を駆使して、お金を稼ぐため冒険に出るのでした。

 

感想(ネタバレ度:中)

悪人ではないが、わりとドライな主人公

タイトルとあらすじだけ読むと、主人公の道夫は

異世界で奴隷を買い漁ってハーレム作ったるぜ!ゲヘヘ…

みたいなゲス野郎と思われそうですが、どちらかというと歳の割には落ち着いた理性的なタイプです。

タイトルこそ「ハーレム」となっていますが、初期段階では道夫にハーレムを作るという明確な意思はありません。
とりあえずは「一目惚れした奴隷を買うために、命懸けでお金稼ぎを頑張る」といった感じです。

私はこういった作品では女の子が可愛いかどうか以上に、主人公に好感が持てるか否かを重要視しますが、とりあえず道夫くんは及第点といったところか。

ただ、ついさっきまで普通の高校生だった割には、人を殺すことに対しての割り切りが早すぎるなど、少し冷徹すぎるように感じたのは気になるところです。
良く言えば環境に対する適応能力が高いんでしょうが……。

このへんはテンポよく話を進めてさっさと本題に行きたいがために、いつまでも道夫の心理描写でウダウダやってらんない、という事情があるのかもしれませんが。

 

いろんな意味で完璧なロクサーヌ

道夫が一目惚れした奴隷は、獣人の娘・ロクサーヌ

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出典:氷樹一世 著『異世界迷宮でハーレムを』1巻 / 角川書店

聡明で性格も良く、オマケに巨乳という非の打ち所がないパーフェクト美少女で、しかも性奴隷になることも了承済みです。

せっ、性奴隷!?
でも…市場に出回ってる奴隷ということは…ほら、さぁ。

あ?
なによ?

いわゆる中古…
みたいな?

チッ、これだからDTは…。

中古どころか買取拒否されそうな顔のクセに生意気言ってんじゃないよ。

そんな潔癖症なジェントルメンの皆様、ご安心ください。

彼女は、信頼できそうな奴隷商の取り扱い商品で「生娘」の保障付きです。
さらには獣人は40~50歳になっても見た目は若々しいまま、人間との間に子を設けることはできない等々、ファンタジーならではの都合の良すぎる設定が満載です。

作者の欲望・妄想を具現化したようで、いっそ清々しいほどですが、女性が読むと嫌悪感を覚えそうな設定ですね。

 

おじさんの楽園な1巻

こんな感じでエロスが約束された設定にもかかわらず、1巻はエロ要素がほぼゼロという硬派な内容になってます。
タイトルに「ハーレム」を冠しているだけに、最終的にはそこに行き着くのは間違いないはずですが、1巻は世界観の説明がメイン。
ハーレムのハの字も無い印象です。

しかも登場人物の大半がオッサンじゃん!

紙面から加齢臭が漂ってきそうだ…。

最初からハーレム展開を期待してると、落差が大きいでしょうね。

まさかハーレムってのは、オッサンに囲まれてる今の状況のことじゃないだろうな…。

 

エロすぎた2巻

1巻でさんざんエロ風呂敷を広げたわけですから、それ相応のエロを見せてもらわねば誰もが納得できない2巻でしたが、見事期待に応えてくれました。

前半こそ1巻と同じような内容ですが、ロクサーヌをゲットした後はお待ちかね。
道夫とロクサーヌの合体シーンがじっくりと描かれています。

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出典:氷樹一世 著『異世界迷宮でハーレムを』2巻 / 角川書店

ヒューッ!
見ろよこのエロさを…まるでエロ漫画みてえだ!!

全年齢向けの漫画にしては濃厚すぎる描写ね。

エロいのはもちろん大歓迎なんですが、全年齢向けの漫画にしては少々やり過ぎなんじゃないかという気がしないでもありません。

ただでさえお色気漫画に対する風当たりが強いという話はちょいちょい聞きますし、この作品のお色気は成人指定のエロ漫画に片足つっこんでるレベルですからね。
「奴隷」というワードも印象が悪いでしょうし。

この作品に限らず、成人向けと見紛うような過激な性描写の作品を時々目にしますが…。
成人向けと全年齢向けのボーダーラインがよく分かりませんが、自衛のためにも住み分けはキッチリしといた方がいいような気がします。

 

ひたすら苦行な3~4巻

と、真面目な学級委員長みたいなことを言っちゃいましたが、この作品に期待してるのはやっぱりハーレムでありエロ要素なわけでして。
2巻で圧倒的なエロスを見せられたことにより、私ならずとも3巻以降はハーレム要員の女の子を増やしながらのエロ三昧な内容になっていくことを期待するはずです。

……ところが。
3巻4巻と、まるで1巻に戻ったかのように、いや1巻以上に冗長な設定説明が延々と続きます。

そういうのが楽しいと感じる人にはたまらない内容なのかもしれませんが、私がこの作品に求めているのはハーレムとエロスであって、正直言ってそれ以外は興味無し。
なので、もともとアンポンタンで集中力が無いことも相まって、全くと言っていいほど内容が頭に入ってきません。

気合を入れてゆっくり読み返せば理解もできるのでしょうが、はっきり言ってそこまでするほど、この作品の世界観に魅力を感じていません。

しかもハーレムを謳っておきながら、4巻になっても登場する女の子はいまだにロクサーヌただ一人です。

そろそろ温厚な俺でもキレそうだぜ…。

二人目の女の子が登場する気配すら無いわね。

このペースだとハーレム完成までに何巻かかるんだ!

気になったんだけど、タイトルは『異世界迷宮でハーレムを』であって、「ハーレムを作る」とは言ってないんだよね。

もしかしたら「異世界迷宮でハーレムを作らなかった件」って可能性もあるってこと?

ハハハ、そいつはトンチがきいてるね!
……いや、笑えないんですけど。

 

それから主人公の道夫について。
前述の通り、私は彼に対して最初は比較的好印象を抱いていました。

ところが話が進むにつれ、ロクサーヌのことを「戦闘もこなせて性欲処理もできる便利な道具」としか見ていないような節が見受けられるようになってきました。
これは正直かなり不快です。

最初は理性的に見えた彼ですが、なんだかんだで思考の中心にあるのはロクサーヌとのエッチな性活のことばかり。
高校男子に奴隷を与えたらこんなもんなんでしょうかね……ガッカリだよ道夫くん。

 

希望が見えた5巻

5巻になると自宅を手に入れ人目をはばかる必要が無くなったこともあり、道夫の性欲は自重というものを知りません。

なにか一つ作業を終えるたびにロクサーヌとイチャイチャ……。
ストーリーが進んでいる気がほとんどしません(もともとストーリーなんてあって無いようなもんですが)。

ただそのおかげで、相変わらず文字数の多い設定説明ばかりではあるもののエロ描写は回復傾向にあります。
濃度で言えば2巻に劣りますが、単純にページ数だけなら過去最高にお色気シーンが多かったんじゃないでしょうか。

そして何より、ようやくハーレム要員となる2人目の女の子が登場しました。
6巻の次回予告でですが……。
ともあれ、ハーレムに向けて動き出す気配が見えたことにホッとしています。

 

まとめ

異世界モノでよくあるような、チート能力で無双するタイプの作品ではないです。
もちろん特別な能力を与えられてはいますが、知恵とスキルを駆使してコツコツ積み上げていく感じです。

その結果、内容の8割くらいが世界観や設定の説明になっていて、主人公が延々と迷宮内でスキルの検証をしている様が描かれています。
これに興味が持てないと、読むのがかなりキツいと思います。

この作品のどこに楽しさを見出すかによって感想は変わってくるのでしょうが、ハーレムとエロを目的で読んでる私としては比較的楽しく読めた1~2巻、読むのが苦痛だった3~4巻、希望が見えた5巻といった感じでした。

5巻の最後まで来てもハーレムが進展する気配が無いし、内容も正直つまらないしで、本来ならば我慢の限界ということで読むのを止めて売り飛ばしたいところなんですが……。

6巻の次回予告で次の女の子の気配がしたこと、そして何より2巻の圧倒的なエロスが頭に残っているので、どうしても完全に見切りをつけることができないのです。

ほんと男ってバカよね。

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