うちのメイドがウザすぎる! (1~3巻)
双葉社 アクションコミックス
著者:中村カンコ
母親を亡くして父と2人で暮らす金髪美幼女と、その家に子守り役として雇われた(志願してきた)マッチョなロリコン変態メイドによるホームコメディ百合風味。
2018年10月よりTVアニメが放送予定とのこと。
変態メイド襲来
その目立つ容姿ゆえに学校で奇異の目にさらされ、不登校の引きこもりになってしまったロシア系金髪碧眼女子小学生・ミーシャ。
心の支えだった母親を亡くし、やさぐれ気味だった彼女の家に家政婦としてやってきたのは、病的に幼女が好きな腹筋バキバキの元自衛官・鴨居つばめでした。
心の扉を閉ざしたミーシャと、その扉を優しくノックする…いや、爆破侵入して行くつばめさんの一方通行な心の交流を描いた、作者曰く「汚いおねロリ」です。
ほっこりしない所が良い
この作品の良い所は「ほっこりしない系ホームコメディ」の謳い文句通り、必要以上に「ちょっと良い話」っぽい雰囲気にもっていかない、絶妙な「ほっこりしなさ加減」です。
ハートフルな流れになりかける時は度々ありますが、つばめさんが自衛隊で磨き上げた危機察知能力を遺憾なく発揮して、強引にコメディ路線に引き戻してくれます。
ほのぼのコメディを髣髴とさせる可愛い絵柄ですが、つばめさんの「ウザい」を通り越してるエッジが効いた「ヤバい」言動の数々は、もはやギャグ漫画の領域。
幼くして母を亡くしたミーシャの生い立ちや、つばめさんの隻眼の理由(3巻のあとがきによると深いエピソードがあるらしい)など、多少シリアスな要素が背景にあるので2巻読了後どういう方向に進んで行くのか若干の心配はありましたが、今のところブレることなくこの路線を継続してくれてます。
ただ2巻で登場した、もう一人の変態であるドMの元自衛官・鵜飼みどりの存在に関しては、個人的には微妙な評価です。
キャラ単体としては好きなんですが、元自衛官の変態2人が揃うと何となくつばめさんの良さがスポイルされているように感じるんですよね…。みどりさんがいると、つばめさんがツッコミに回ることが多いからでしょうか?
みどりさんの登場頻度が少し下がってからはバランスが良くなったのか、その辺は全く気にならなくなりましたけどね。
唯一の不満点
こんな感じで全体的には非常に楽しく読めた作品でしたが、ひとつだけ物申したいことがあります。
それは単行本1巻に付いていた帯についてなんですが…。
画像の左上をご覧ください。
ミーシャと一緒に風呂に入りたいけど拒否されたつばめさんが、先に風呂場に潜入していた場面の1コマが抜粋されています。
ちょうど乳首の位置に文字を置いて絶妙に隠しているわけですが、これを見てスケベな私は思ったわけです。
ふむ、これは…本編で解禁されているな。
ところがどっこい、ですよ。
…おい。
まぁ私もいい大人ですからね、たかが乳首が見れなかったからといって血涙を流して悔しがったりは致しません。致しませんが、こんなやり方は許せませんね。
作品自体は文句なく面白かったから笑い話で済まされますが、これでクソつまらない漫画だったらどうしてくれたもんか。
そして何より、つばめさんは元自衛官という設定です。
これを読んだ純粋な青少年が
つばめさんの乳首、戦闘で吹っ飛んじゃったの…?
などと勘違いして心を痛めたらどうするんでしょうか?
重ねて言いますが、私は別に乳首が見たかったから怒ってるわけではないのです。
バキバキの腹筋と柔らかなおっぱいのコントラストを楽しみたかったとか、そういうことじゃないんですよ。いやホントに。
売り上げに直結する帯とはいえ、こういう卑怯なやり方は今後やめてほしいものですな!