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『スロウスタート』1~2巻 感想 | 中学浪人女子の出遅れ高校生活

タイトル:スロウスタート
著者:篤見唯子
出版社:芳文社(マンガタイムきららコミックス)
巻数:1~2巻(以下続刊)


病気が原因で中学浪人を経験した女の子の高校生活を描いた日常4コマ

 

留年中学生

おたふく風邪で高校受験を棒にふって中学浪人を経験した女の子・一之瀬花名は親元を離れ、自分のことを誰も知らない新しい環境で1年遅れの高校生活をスタートします。

浪人したことによって生来の人見知りでウジウジした性格にさらに拍車がかかってしまった花名。
本人は自分の境遇をこの世の終わりのように嘆きますが、両親含めて周りの人達が大らかなので、ちょっぴり重そうなテーマの割に全く深刻な雰囲気にならないので安心して読めます。

学校では浪人したことを隠している後ろめたさからか情緒不安定気味で、なんだか見ていて心配になってくる非常にめんどくさ可愛い子です。
こんな花名が良い友達に恵まれ、楽しい学校生活を送りながら少しずつ明るく前向きになっていくのがこの作品の見所……と、なるはずだったと思うのですが。

 

 

もう一つの物語

実は花名の他にもう1人、裏の主人公とでも言うべき人物が存在します。
それは花名の友達の1人であり、花名とは対照的にコミュ力が高い女たらし女子高生・十倉栄依子
主役の花名を食ってしまうほどの存在感を放つ彼女の、華麗なる百合ハーレムライフこそが最大の見所であると言っても過言ではなくなってしまってます。

特に担任の女教師・榎並清瀬との関係は本筋よりも気になるところ。
数々の女の子を攻略してきた百戦錬磨の栄依子ですが、大人の女性である榎並先生は一筋縄にはいかず、今のところ栄依子の一人相撲といった状況です。
作ったような微笑みを顔に張り付け、いつも余裕な態度を崩さない栄依子のことが私はあんまり好きではなかったんですが、2巻あたりから先生の前でだけ時々見せる乙女な表情が可愛くてお気に入りキャラに昇格しました。

花名が浪人を公表するのが先か、それとも栄依子が先生を攻略するのが先か。
要注目ですね。

 

 

秘密はいつかバレるもの

今後気になるのは、浪人してることがバレた時にいったいどうなるのかということです。
ここまで引っ張るということは「なんだぁ、早く言ってくれればよかったのにぃ、ウフフ」で終わるとは思えず、ひと悶着ありそうで心配です。

前述の通り栄依子が好きではなかったということもあり、1巻を読んだ時点では花名の浪人がバレたら栄依子が手のひら返して率先してイジメそうな予感がしてたんですが、2巻まで読み終わった今となってはそれは大丈夫そう。
さっさとバラして花名も読者もスッキリと楽にしてもらいたいものです。